日米首脳会談で注目されていた防衛費増額の要求。ヘグセス国防長官は具体的な要求はしていないと発言した。背景にあるのはそもそも日本が防衛費を増強してきていることだ。防衛白書によると2023年度から防衛関係費が急激に伸びているのがわかる。これは厳しさを増す安全保障環境に対応するために政府が2023年度からの5年間で43兆円を投じて防衛力を抜本的に強化する計画を進めてきたから。アメリカ国務省で2011年まで日本部長を務めたケビン・メア氏は「私が米政府にいた頃は日本政府にもっとやるべきと迫っていた。今それを日本がやってアメリカは高く評価している」と述べた。防衛費増額の動きが決まったのは2022年の岸田政権のとき。ロシアのウクライナ侵攻が始まり、世界的に安全保障環境が揺らいでいた年だ。トランプ大統領は日本には具体的な防衛費の要求をしなかった一方、NATOに対しては具体的な数字を出して迫っている。NATOと日本に対しての対応の違いメア氏は「NATOは数十年間増額に消極的だったが日本はすでに応じている。米政治は日本が政策を語るだけでなく、行動に移していると理解している」と分析した。一方で「重要なのは厳しい安全保障環境のもとGDP比で何%だという数字から入るのではなく、何がどれくらい必要なのかということを日本政府が検討し続けることだ」と指摘している。日本の防衛のために必要な予算を主体的に決めるのは、アメリカではなくほかならぬ、日本自身だ。
