今年10月に開催される国民スポーツ大会に向けて、佐賀市中心部に作られたのが「SAGAサンライズパーク」。広々とした陸上競技場から相撲場まで、25の競技に対応できる総事業費540億円の一大拠点。その中心となるのが「SAGAアリーナ」。本拠地とするのが、去年、B1リーグに昇格した「佐賀バルーナーズ」。選手のプレーを間近で見られるコートサイドは毎試合完売するほどの大人気席。このアリーナを仕掛けたのは山口祥義知事。「アスリートのみんながスポーツの力によって一生飯を食っていける世界ができればいいなと思って。多くの皆さんがスポーツに親しんでお金を使ってくれる。そのお金をアスリートに回してアスリートはもっと生き生きとプレーができるようになる」と話す。そんな構想に向けて新設されたのがSAGAスポーツピラミッド推進グループ。県職員により組織された特別チーム。トップアスリートの育成を進めながら引退後もサポート、県民にスポーツに関わってもらいスポーツ文化を広げ、地方創生に繋げようという。オリンピック出場を目指しているフェンシングの古田育男さん。東京の大学を卒業後、東京で働きながら、フェンシングを続けようと思っていたが、希望に沿った就職先が見つからなかった。古田さんをサポートしたのが佐賀県のジョブサポという制度。アスリートや指導者を企業と結びつけ、社員として働きながら、競技を続けることを支援するマッチング事業。これを利用して地元の建設企業に就職。フェンシング練習のため週3日は午前中勤務。さらに海外の遠征費も会社が負担。古田さんを支援する企業は「初めての採用だったので、どんな形になるか分からない部分があったが、アスリートを採用している企業として着目されるし、相乗効果でいい効果が生まれてきている」と話した。佐賀県は引退した選手もサポート。元新体操選手の松本愛香さん。福岡で働いていたが、ジョブサポの制度を使って佐賀県内の会社に転職。働きながら新体操教の指導者として競技に戻ってきた。佐賀県は高校生の育成にも力を入れている。佐賀学園高校・末松拓磨さん。3歳から始めた水泳で目指しているのは全国大会入賞。末松さんが暮らしているのが佐賀市内にある寮。熊本から単身で寮生活。部屋は個室で食事付き。寮費は月5万5000円。この寮には学校も競技も違う高校生たちが。