年金制度改革をめぐり、厚生労働省は、物価や賃金の上昇率よりも給付水準を低く抑える期間を短縮し、将来的な底上げを図る案を示している。ただ、厚生年金保険料の積立金を活用するため、厚生年金の受給者は、現行制度に比べて一時的に給付水準が下がる他、追加の国庫負担も必要となってくる。厚生労働省は、この案を実際に実施するかどうか、判断を先送りする方向で調整に入った。一方、65歳以上の人が一定の収入を得ると厚生年金が減らされる「在職老齢年金」制度の見直しについては、減額される基準を現在の月額50万円から62万円に引き上げる方向で調整している。