物価高に歯止めがかからない。家庭で消費するモノやサービスの値動きを見る、先月の消費者物価指数は去年の同じ月より2.3%上昇。こうした物価高への対応などを柱とする新たな経済対策がきょう閣議決定された。「年収103万円の壁」を巡り今後の引き上げについても明記された今回の経済対策。働き控えの解消につながり景気はよくなるのか。いわゆる「年収103万円の壁」について、街でどのように感じてるのか聞いた。50人のパート従業員が働く東京・足立区のスーパーでも「103万円の壁」の引き上げを歓迎。常に人手が不足しているという。スーパー・赤津友弥本部長は「基金の課題は働く人手の問題」と語った。政府はきょうの臨時閣議で民間の資金も含めた事業規模が39兆円程度となる新たな経済対策を決定。3つの柱が掲げられている。1つ目の柱「日本経済地方経済の成長」。全ての世代の賃金所得を増やすとし、賃上げ環境の整備として最低賃金を2020年代に全国平均で1500円に引き上げる目標に向け中小企業への支援策を多く盛り込んだ。2つ目「当面の物価高への対応」。電気ガス料金への補助に加え、低所得者への支援として住民税の非課税世帯を対象に1世帯当たり3万円を目安に給付金を支給し、このうち子育て世帯には子ども1人当たり2万円を加算する。3つ目「国民の安心安全の確保」。能登半島の被災地でのインフラの復旧、被災者の生活再建などを支援する事業を盛り込んだ。自民党と公明党と国民民主党の政策責任者が5回にわたり政策協議を行った今回の経済対策。石破総理大臣は「“コストカット型の経済”から脱却し、“高付加価値創出経済”への栄光を目指す。補正予算を速やかに編成し、各党の協力を得ながら国会での早期成立を目指していきたい」、公明党・斉藤代表は「今回の合意のプロセスは今後の合意形成の1つのモデルになる」と述べた。与党との協議の中で主張を対策に反映させた国民民主党・玉木代表は「大きな一歩だ。国政選挙が終わったあとに1つの野党が言っている政策が大きな関心を集め、政府が閣議決定した経済対策にしっかり入ったことは大変意義深い」と述べた。一方、立憲民主党・野田代表は「能登への支援が十分なのかどうか、物価高対策がしっかりしているのかどうか、政調会長を中心にチェックしていきたい」と述べた。