戦争犯罪などを犯した人物の刑事責任を問うことを目的に2002年に設置されたICC国際刑事裁判所。旧ユーゴスラビアやルワンダの虐殺などをきっかけに発足した。スーダンのダルフール紛争やリビアのカダフィ政権による市民の武力弾圧などを捜査してきた。このICCを今率いているのは日本人女性の赤根智子さん。愛知県出身で日本の最高検察庁検事を経て2024年にICC所長に就任した。そのICCが今存続の危機を迎えている。ICCは2023年にロシアのプーチン大統領などに、2024年にはイスラエルのネタニヤフ首相などに逮捕状を出した。その結果ロシアや、イスラエルを支援するアメリカから猛反発を受けることとなった。ロシアは赤根所長を指名手配し、アメリカは検察官や裁判官に制裁を課した。赤根所長はICCの役割について、「世界における法の支配の最後の砦だと思っているし被害者たちにとって最後の希望の光だと思っている。最後は誰かが正当な手続きによって正当に処罰されるということがない限り被害者たちが前を向くことはできない。それを出来るのは今ICCだけ」と語っている。また厳しい状況にあっても常に冷静さを欠かない点について「リーダーが苦しい顔をしたら部下たちはどう思うだろうか、みんなが明るく過ごす、自分の仕事に向かえるようにしたいというのが心の中にある」と話す。執務室には大象無形という書の掛け軸が飾られている。
