TOKKATSUを導入したタイの小学校。この日は生徒会が開かれ、子ども同士で話し合いが行われていた。先生は見守るだけ。一列に歩く練習や掃除も子どもたち自身で行うようになった。TOKKATSUを導入したのはタイの国家汚職防止委員会。教育省や大学などと共同で、モデル校12校を選び、今年5月から順次導入している。その理由はタイ社会を蝕む深刻な汚職。この10年間で悪化し、政治家・官僚・警察幹部が関係する事件が後を絶たない。タイ政府は7年前、汚職防止教育に着手したが知識習得が中心で思ったような効果は上がらなかった。国家汚職防止委員会は汚職の背景にある大きな要因は秩序の乱れだと指摘し、実際の行動をともなった教育方法に注目し、年間約13億円をかけて、幼稚園と小学校への導入を決めた。TOKKATSUは始まって4か月、家庭でも変化が出てきている。親に反抗し家事を手伝わなかった少年が、今では食後に片付けを行うようになった。さらに、自宅前の掃除をするようになった。
			
