今年のノーベル平和賞に選ばれた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議)。受賞の背景には当事者として核兵器の悲惨さを訴え続けてきた海外での積極的な活動がある。中でも国連本部のあるニューヨークには核兵器に関わる会議に合わせて代表団を派遣し核兵器廃絶を訴えてきた。日本被団協は国連の会議への出席だけではなく地元の若者たちと交流し核兵器廃絶を訴えてきた。ニューヨーク・ブルックリンに日本被団協のノーベル平和賞受賞を喜ぶ生徒たちがいた。この学校の図書館で司書をしているマシューサルコヴィッツさんは去年11月、日本被団協の代表委員・箕牧智之さんを高校に招いた。箕牧さんはニューヨークへの訪問に合わせて地元の学校にも足を運んでいる。この学校でも100人を超える生徒を前に3歳の時に広島で体験した原爆の惨状について語った。生徒たちは、真剣な表情で箕牧さんの話に耳を傾けていた。40年近く日本被団協の米国での活動に関わり若者たちとの橋渡し役となってきた遠山京子さんは、地元の大学で心理学の講師やカウンセリングなどに携わる傍ら、多い時には100人近いボランティアを集め日本被団協のニューヨークでの活動を支えてきた。原爆の被害者と加害者という過去の関係にこだわるより、核兵器のない未来をともに作りたいという日本被団協の訴えが共感を広げていった。
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