核兵器の開発や使用などを禁止する核兵器禁止条約は、これまでに73の国と地域が批准していて、ことし3月に米国ニューヨークの国連本部で、3回目の締約国会議が開かれる予定。政府与党は、会議での議論の内容を把握し、今後の取り組みに生かすことが重要だとして、自民党、公明党両党の議員を派遣する方向で調整に入った。被爆地、広島に関係する議員を中心に、人選を進める方針。また、野党の意向も聞いて、超党派の派遣団とする案も検討している。一方で、ノーベル平和賞を受賞した、日本被団協などが要請していた政府のオブザーバー参加は、米国の核の傘のもとにある他国が参加した例などを検証した結果、効果は限定的だとして、これまでと同様、見送ることにしている。政府与党としては、米国の核抑止力を含む日米同盟が、日本の外交政策の基軸となる中、唯一の戦争被爆国として、現実的な路線で核兵器のない世界に向けた取り組みを進めるねらいがあるものと見られる。こうした動きについて、日本被団協・代表委員・箕牧智之さんは「ノーベル平和賞を受賞し、被爆80年の中、なぜ政府がオブザーバー参加できないのか、怒りとあきれを感じる。これまでそっぽを向いてきたと思っていたので、形だけでもありがたいが、日本は態度を示すべきだ」と話した。また、日本被団協・和田征子事務局次長は、「派遣される議員が何をするのかが大事だと思うが、私たちは、政府として参加を求めていたので残念であり、その対応には批判の声を上げていきたい」と話している。
URL: http://unic.or.jp/