去年、独裁的な政権が崩壊した中東・シリアのシャラア暫定大統領は、国連総会でシリアの大統領として約60年ぶりに演説し、国の復興のために制裁の完全な解除を求めた。シリアのメディアなどは「大統領の国連総会での演説は1967年以来58年ぶり」と伝えている。シリアでは去年12月に親子二代で半世紀以上続いた独裁的なアサド政権が崩壊し、反政府勢力の指導者だったシャラ暫定大統領のもとで新たな国づくりがすすめられている。シャラア氏は演説で「シリアは国際関係を修復し、地域・世界との関係を築き、暫定的な制裁解除を実現した。シリア国民を束縛しないよう、制裁の完全な解除を求める」とし、アメリカなどがアサド政権下で科してきた制裁を完全に解除するよう訴えた。シリアではアサド政権の崩壊後、隣国・イスラエルが少数派イスラム教ドルーズ派の保護を名目にシリアへの空爆を行うなど不安定な状態が続いているが、シャラア氏は演説で「この地域に新たな危機や争いをもたらすだろう」と非難した。
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