大阪市西淀川区にある田蓑神社に、玉ノ井部屋は毎年宿舎を構えている。この神社には力士たちのために稽古専用の建物が作られており、この日は朝7時半に土俵築が始まった。去年使った土俵を崩してほぐし、再び土を固める作業から始まる。この土台の上に直径15尺の円を描く。部屋の土俵づくりの中心となるのは本場所で力士の四股名を呼び上げる呼出で、実は土俵づくりのプロでもある。呼出の指示のもと、力の要る作業は力士たちが行う。円の内側は激しい相撲でも凹んだり滑ったりしないように入念に叩き、固めていく。土俵の俵は袋状にしたわらの中に土を入れ、縄で縛って叩いて形を作っていく。土俵の周りを丁寧に削り、外れないように俵を埋めていく。最後に仕切り線を引き、真ん中に穴を開けて5時間半で土俵が完成した。翌日に行司が取り仕切る土俵祭が行われ、この土地の神様に挨拶をして土俵の無事を祈願するという。この時に中心の穴に縁起物である米やするめ、かちぐりなどの鎮め物が埋められる。
