日本人としては史上6人目のノーベル生理学・医学賞に選ばれた大阪大学がの坂口志文特任教授。不遇の時代を支え続けてきたのが、元々は皮膚科医で共同研究者の妻・教子さん。免疫学の大発見は夫婦二人三脚で生まれた。坂口志文特任教授は、1951年に滋賀県で生まれ京都大学へ。本当にやりたい研究は何かを突き詰め、京都大学大学院を中退し愛知県がんセンターへ。そこで妻・教子さんと出会う。その後夫婦で渡米し、1995年に制御性T細胞の存在を発表した。体には異物から体を守る免疫細胞があるが、まれに異常な働きをし自分の体を攻撃してしまうことも。その攻撃を抑えるのが制御性T細胞で、関節リウマチなどの自己免疫疾患やアレルギー、がんなどの治療・予防が期待されている。今では免疫学最後の大発見とされる制御性T細胞だが、2000年くらいまでは世の中であまり認められていなかったという。免疫反応にブレーキをかける坂口さんらの研究は異端とされた時代もあった。その不遇の時代も30年支え続けたのが妻・教子さんだった。その後もアメリカや日本の大学などで研究を続け多くの賞を受賞した。ノーベル賞の授賞式は12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開催される。