被災した人の心に寄り添おうとしているボランティア団体がある。地震と豪雨で帽子やおもちゃを失った子どもたちに新たなプレゼントをした。ボランティア団体・佐々木一人現地代表は、地震が起きたとき、埼玉県で暮らしていた。当初は1週間ほどの滞在予定だったが、今も現地に残り続けている。力を入れている活動は、被害を受けた住宅に残された思い出の品の救出。壊れた住宅から捜し出された、泥だらけの風呂敷は、亡くなった母親が大切にしていた嫁入り道具だった。無事住民の手元に返された。代々受け継がれてきた輪島塗のお膳台など、これまでに十数点の品を捜し出してきた。新たな依頼主の女性の築70年の住宅は地震で住めなくなり、数か月後には解体される予定。25年前に亡くなった父親が大切にしていた本を運び出してほしいという。佐々木現地代表は「心の復興がいちばん大事だと思っている」と語った。インフラや生活の再建に加え、能登で暮らし続ける人たちの心をどうやって支えていくのか。これからも考えていく必要がある。