舞台のタイトルは「TIME」。人間にとっての時間とはなにか。物語を通して様々な時間を表現しようと考えた。坂本さんは“時間は幻想である”、生前、この舞台に込めた思いを語っていた。舞台の構想を始めたのは2017年。1度目のがんの治療から復帰したあとだった。舞台製作のきっかけとなったのが美術館の展示だったという。田中泯は「坂本さんからその話が出たとき、即出ますよって言った」などと話した。音楽と踊りの可能性を追求した舞台。その構想をメモしたノートを坂本さんは残していた。坂本さんは、がんの闘病中だった2021年に、みずからの死生観を米国の新聞に語っていた。田中泯はのこされた人たちで舞台を完成させていきたいと考えている。