JR東海が建設を進めているリニア中央新幹線で東京・品川と名古屋を結ぶ期間のうち、長期に渡って膠着していた静岡県内の工事が動き出すことになった。静岡県の鈴木知事は、県内着工の前提となる協定締結の方針を表明し、着工を容認する考えを示した。JR東海がトンネルの掘削工事で大井川の水量が減ると公表したことをきっかけに、静岡県が着工に反対する姿勢を明確にしていた。膠着状態が続く中でおととし、リニア計画推進を掲げる鈴木知事が就任。JR東海は水資源などの課題について対策示し、県の専門部会は今年3月までにすべて了承。「自然環境保全協定」の締結が着工に必要な手続きとして残されていた。鈴木知事は「JR東海として自然環境保全に努めていただくことがわかった。締結の環境が整った」などと語った。開業に向けて課題となるのが工事の難しさ。静岡県以外で影響とみられる現象が起きている。さらに工事費も高騰。JR東海が示した品川~名古屋間の総工事費の見通しは約11兆円で、当初計画の約2倍に膨らむ。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの宮下主任研究員は、開業時期が遅れるほど経済的なプラス効果が小さくなる傾向があると指摘する。
