主食のコメに危機が迫っている。全国の市町村で2番目に多くコメを生産してきた秋田・大仙市では耕作されていない水田が800ヘクタールに及んでいる。大きな理由のひとつは高齢化。今後5年でコメの生産を支えてきた大きな層が急激に現象するとみられている。生産者現象の背景には収益の問題もある。収益拡大を目指して大規模法人を設立し、4000万円以上の融資を受けて大型機械を購入し農地を広げたという加藤さん(仮名)だが、コロナ禍による外食産業の冷え込みでコメの価格が急落し、売り上げは2割現象。さらにロシアの軍事侵攻による肥料や燃料代の高騰も追い打ちをかけた。今春、加藤さんは破産を申し立て、所有していた農地すべてを失った。コメの農業法人の年間所得は平均で218万円。2年間で180万円減少している。いま、コメづくりの現場は瀬戸際に立たされている。