大和証券キャピタルマーケッツアメリカ・矢澤さんは雇用統計の年次改定について「今回発表された速報値では、今年3月までの雇用者数の増加が81万8,000人下方修正される見込みとなった。過去15年で最大の下方修正となり、10年債利回りが発表後に低下するなど景気に対する慎重な見方につながったと考えている。一方、株式市場では決算を発表したターゲットやTJXが大幅高となったことを受け、小売企業が上昇し相場を支えた。また、同じく決算を発表したアナログ・デバイセズの上昇を受け、半導体株の上昇も目立っている。アナログ・デバイセズの決算は端的に言いうとビジネス環境の底打ちを示したと考えている。アナログ・デバイセズの売上高と前年からの増収率を示したグラフを見てみると、本日発表された5-7月期は25%の減収となったが、前の四半期よりは改善している。また、8-10月期はさらに改善する見通しを示しており、『すでに今回の半導体サイクルの底は過ぎた』とコメントした。アナログ半導体の業界はAI関連と異なり、需要の低下による在庫の積み上がりに苦しんでいた。しかしアナログ・デバイセズの決算発表を見る限り、半導体市況の改善の裾野が広がっていると考えて良さそう」と話した。