2日、破産開始手続きの決定を受けていた船井電機・原田会長が東京地裁に民事再生法の適用を申請した。船井哲良氏が創業したミシンの卸問屋が前身の船井電機。1980年代にAV機器製造に参入し、テレビとビデオが一体となった、テレビデオで一世を風靡。2000年代には液晶テレビが北米で高いシェアを誇り「世界のFUNAI」とまでいわれるように。ただ近年、中国や台湾メーカーとの競争が激化し徐々に業績が悪化。さらに、創業者の船井哲良氏が2017年に死去し経営基盤が揺らいでいくことになる。秀和システムの社長を務めていた上田智一氏のもと船井電機は非上場化される。上田氏が船井電機を浮上させるためにとった手段が脱毛サロンのミュゼプラチナムの買収。美容家電とのシナジー効果を狙うが軌道に乗ることなく、1年で売却することに。このほかにも、買収したときに借りた金の返済を迫られるなど上田氏が経営の主導権を握っている間、船井電機から流出した資金は合わせて300億円にも上る。今年9月、上田氏は船井電機の経営権を1円でファンドに売却。直後に社長を退任する。10月24日、創業家の親類である取締役の一人が単独で「準自己破産」を東京地裁に申請する。