原発事故による避難指示が解除された福島・大熊町の特定復興再生拠点区域で来年度の営農再開を見据えた田植えが行われた。大熊町は原発事故による帰還困難区域のうち、町全体の面積のおよそ10%が先行して除染などを行う特定復興再生拠点区域に指定され、2年前に避難指示が解除された。特定復興再生拠点区域では2020年からコメの試験栽培が始まっていて、きょうはこの内の熊地区の田んぼで田植えが行われた。およそ20アールの田んぼには町の職員や農業委員会の委員らおよそ20人が集まり、コシヒカリの苗を手作業で植えていった。町によるとこの地区で収穫されたコメからはこれまで国の基準を上回る放射性物質は検出されていない。栽培されたコメは秋に収穫された後、基準値以内であれば町内のイベントで食べることができるという。大熊町では来年度から町内の特定復興再生拠点区域で営農を再開する予定で、最大70ヘクタールの田んぼで稲作が行われる見込み。