勧告を受けたのは東証プライム市場に上場する東京・大田区のポンプの大手メーカー・荏原製作所。公正取引委員会によると遅くとも、おととし2月以降、下請けの176社に製造に使う木型や金型など、計8900個を無償で保管させていた。木型などは大きいもので3m四方、約数トンの重さがあり、最後に使用してから20年ほどたつものを保管させたり、下請け会社が外部の倉庫を借りて対応したりしていたケースもあった。公正取引委員会は下請け会社の利益を不当に侵害し、下請け法に違反したとして、保管費用を支払うことや再発防止を求める勧告を出した。公正取引委員会が型を無償で保管させたとして勧告を出したのは、去年3月以降12件目で、今回は保管させていた下請けの会社と型の数がこれまでで最も多い。荏原製作所は「費用の相当額を支払う手続きを進めている」としたうえで、「厳粛に受け止め社内教育の徹底などコンプライアンスの一層の強化と再発防止に努めていく」とコメントしている。