第73代横綱・照ノ富士の現役引退、度重なるケガや病気で一度は序二段まで番付を落とすも奇跡の復活を果たし、長らく1人横綱として相撲界をけん引、優勝回数10回を数えた不屈の男が土俵に別れを告げた。今場所の注目は琴櫻と豊昇龍による綱取りへの挑戦だった。後がなくなった豊昇龍は「3敗したときに親方が『楽しくやるんだよ』その言葉が押してくれましたね」と話し崖っぷちの時に立浪親方は「『相撲を楽しめ』という風に言いました。楽しんでやったほうが絶対にいい結果が出るぞ」と話したという。終盤の強さととして昭和の大横綱・大鵬が実践していたという四股、てっぽうによる基礎の徹底があり強靭な肉体が終盤での力を発揮できる要因となった。豊昇龍は「去年の名古屋場所でケガをしてその後からやり始めた。しっかりやってきて良かった」とし豊昇龍は優勝決定戦を制し2度目の優勝を果たした。この結果を受けて横綱審議委員会は満場一致で豊昇龍を横綱に推薦することを決定、第74代横綱の誕生は確実となった。優勝を逃していたら32年ぶりに横綱不在となっていた事態だったが千秋楽1日3勝の気迫を見せた。新横綱誕生に際してどんな口上を披露するのかも注目。