今年のノーベル生理学・医学賞に日本人の受賞が決定。大阪大学・坂口志文特任教授は人間の体内で過剰な免疫反応を抑えることに特化したリンパ球「制御性T細胞」を発見し、免疫研究の功績が認められた。日本人の受賞は個人では4年ぶり、アメリカ国籍を取得した人を含め29人目。体内にウイルスなどが入った時、免疫機能としてT細胞がウイルスを攻撃してくれる。しかし、時々暴走し、悪くない正常な細胞まで攻撃してしまい、自分の体を傷つけてしまうという。この過剰な免疫反応にブレーキをかける働きを持つのが坂口さんが発見した制御性T細胞。この細胞を操作して働きを強めることで、自己免疫疾患や臓器移植の拒絶反応を抑制したり、逆に弱めることでがん治療などに応用できると期待されている。坂口さんは「まだまだ解説すべき治療法を見つけるべきような病気はたくさんある。なかなか治療が難しいと思われている病気についても解決策はあると、また予防法も見つかってくると私は信じています」と話した。