大阪湾周辺では先月からクジラが目撃されている。度々姿が目撃された後、クジラは現在工場などが立ち並ぶ大阪・堺市の港の中にいる。堺市の港からクジラがいるポイントに船を進めると陸地からすぐの場所にクジラの姿を確認した。マッコウクジラと見られ、体長は約12m。尾びれだけを水面に出した状態に。そこへ船がやって来た。安全を確認しながら慎重に進んでいるように見える。クジラは先月12日に兵庫・神戸市の六甲アイランド周辺で目撃され、その後も度々確認されている。30日以降は堺市側の複雑な形をした港の奥まで入り込んだ状況が続いている。取材中にクジラは尾びれを上にした逆立ちのような姿を何度も見せた。これに専門家は「マッコウクジラは寝るときは立ち泳ぎをしながらモノによっては尻尾を上にして逆立ちをしたまま寝るときはある。ちょっと体力が落ちてきたので寝て休むみたいなことをしているのか」と話した。短い間隔で行っている潮吹きについても「泳ぎ回っていた時には息の高さが2mくらいまで吹き上がっていた。それがいま現在1mちょっとの高さになったりとか息の間隔がやや短くなってきている感じがした。何も食べずに絶食したまま泳いでいるので力が落ちてきている感じ」と話した。大阪湾に迷い込んだ理由については「方向感覚に関係する耳などに異常がおきて方向を間違ったか、広い所を泳ぎ回っていて間違って瀬戸内海とかの中に運ばれる水にのってしまったとか」と話した。専門家によると、大阪湾にエサとしているイカはおらず、かなり痩せているように見えるという。蓄えた脂でエサを食べずに過ごせるのは約2カ月といい限界が近いと見られる。大阪府は既にクジラの万が一に備え検討を重ねているという。