来日前、安青錦はウクライナの自宅近くのジムで毎日のように稽古に励んでいた。当時コーチを務めていたバジャ・ダイアウリさんはウクライナで相撲を広めた伝説のコーチとして知られ、安青錦の幼少期を知る1人。2019年に大阪で開催された18歳以下の世界ジュニア相撲選手権に出場するため、当時15歳の安青錦と共に来日。安青錦は見事3位になり、頭角を現し始めた若き才能の成長を真横で見守ってきた。2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。安青錦の家族が当時住んでいた場所の近くでミサイル攻撃があり、通っていたジムも窓ガラスが割れるなどの被害があった。直後、家族はドイツへの避難を決めた。ウクライナでは当時、18~60歳の男性は戦闘員として動員されるため出国禁止となっていた。それでも相撲を続けたいと、当時17歳だった安青錦は兄をウクライナに残し、戦火を逃れるため両親とドイツへ。ドイツは相撲の体制があまり整っていなかったため、安青錦は世界選手権で知り合った関西大学・山中新大さんを頼り、2022年4月に来日。去年3月、両親がドイツから来日。安青錦は「日本来てから一度もウクライナは帰っていないので、普通に自分の町で散歩したい」と話した。軍事侵攻から来年2月で4年。和平への道はいまだ定まっていない。昭和の大横綱・大鵬の父親がウクライナ出身という縁もあって相撲が現地で人気のあるスポーツだという。柳澤秀夫は「ウクライナの人たちの様々な思いを背負っている気がする」とコメントした。こういった活躍を受けて、安青錦の生まれ育った地元では町をあげて応援する機運が高まっている。
稽古場に中学生や高校生くらいに混じった小学1年生くらいの子どもたちがいた。安青錦が育った稽古場で汗を流す選手からは“地元のヒーロー”の大関昇進に祝福の声が上がる。安青錦関の幼なじみは「涙が出るぐらいとてもうれしかった」と話した。現地を取材した佐々木正明さんによると、今ウクライナでは相撲ブームが起きているという。安青錦をよく知るというヴィンニツャ州スポーツ担当・ナタリャさんはFNNの取材に対し、これまでの快挙を持つ意義を「ウクライナでの軍事行動が続く中ではスポーツが二の次に見えることもある。国際舞台での大きな成功こそがウクライナ人のために重要」と強調した。安青錦は「もう一つあるので目指してしっかり強くなりたい」と話した。数々の決断を経て切り開いた大関への道。さらなる舞台への挑戦を日本だけでなく、ウクライナ市民も見つめている。
稽古場に中学生や高校生くらいに混じった小学1年生くらいの子どもたちがいた。安青錦が育った稽古場で汗を流す選手からは“地元のヒーロー”の大関昇進に祝福の声が上がる。安青錦関の幼なじみは「涙が出るぐらいとてもうれしかった」と話した。現地を取材した佐々木正明さんによると、今ウクライナでは相撲ブームが起きているという。安青錦をよく知るというヴィンニツャ州スポーツ担当・ナタリャさんはFNNの取材に対し、これまでの快挙を持つ意義を「ウクライナでの軍事行動が続く中ではスポーツが二の次に見えることもある。国際舞台での大きな成功こそがウクライナ人のために重要」と強調した。安青錦は「もう一つあるので目指してしっかり強くなりたい」と話した。数々の決断を経て切り開いた大関への道。さらなる舞台への挑戦を日本だけでなく、ウクライナ市民も見つめている。
