琴浦町のカフェで開かれた会議。集まったのは町内の5つの自動車販売店の代表や担当者。この5社で構成されるのが琴浦モビリティグループ。愛称は「コトモビ」。5社で定休日を分散していて、住民はコトモビという1つの窓口に連絡すれば様々なメーカーのメンテナンスや販売の対応をはじめ、故障などの緊急時は最寄りの事業者に駆けつけてもらえる。会議の進行を務めるのがグループ代表の上田啓悟さん。コトモビの構想から結成までの道のりは決して平坦ではなかったという。自動車整備はインフラだと考えてた上田さん。結成まで2年を要するほど説得は難航したが、各社で協力して生き残り、住民の交通を守ることの重要性を伝え続けた。6年前に結成された「コトモビ」は各社が効率的な経営を進めていく上で2つのメリットがあったという。一つが仕入れ。タイヤ5社分の量をまとめ、仕入れの量を増やすことで価格交渉がしやすくなり、10%ほど安く購入できたこともあったという。2つ目が点検に必要な設備・技術の共有。車の故障を診断する機器は高いもので70万円前後かかるという。グループの中で持ち回りで1社が最新機種を購入。他の事業者と共有することでコストを大幅に下げることができた。この日行われていたのは大阪に本社がある機器のメーカーの担当者を招いた研修。5社合同で開催し、最新知識・技術を身につけることができている。グループに加入している整備工場で働く浪花直也さん。工場はもともと浪花さん夫婦が2人で経営。娘婿の直也さんは自動車整備の仕事に関心はあったが、未経験で後継のめどはたっていなかった。そうした中、上田さんが提案したのが工場で扱っていなかったガラス修理の技術を直也さんに習得してもらうことだった。直也さんは集中して取り組み、技術を習得。特殊な技術が必要で、これまでコトモビの各社が町外に発注していたガラス修理の仕事をこの工場に集めることができた。工場にとって1つの事業に成り立つとともに各社は作業時間を短縮することにもつながっている。今では整備に必要な他の技術も習得した直也さん。後継者として工場を背負っていく自信をつけることができたという。上田さんは「鳴り石の浜」整備やPRに携わってきた上田さん。こうした経験から自社の利益だけでなくほかの事業者 地域のために何ができるかを考えるようになり、「協力」という発想につながったという。上田さんは自動車部品の見本市で活動を発表したり、県外事業者の視察を受け入れているという。
