日本への相互関税を巡り、米通商代表部・グリア代表は「日本の農産物市場へのアクセスをもっと充実させたい」と言及し、市場開放を要求している。2019年の第1次トランプ政権でも農業分野などの交渉を担当していたことで知られる。また、ホワイトハウスのレビット報道官は日本はコメに700%の関税をかけていると批判していた。日本はコメの輸入を原則認めておらず、1995年に一定量まで関税ゼロのミニマムアクセス米を設定した。これは政府が管理して年に77万tを無関税で輸入するもので2023年はアメリカからは34万t余りを輸入するなどしてきた。ミニマムアクセス米は従来加工食品や飼料用に使われてきた。この設定枠を超えたものは1kgあたり341円の関税をかけていて、貿易統計によるとアメリカからは137tを輸入している。2019年にも5年をめどにコメの関税撤廃を要求していたが、当時の安倍総理大臣はトランプ大統領とともに牛肉については9%まで関税を引き下げ、ワインは撤廃し小麦は年15万tの無関税枠を設置することでコメの関税撤廃を回避してきた。専門家の作山巧氏はコメをカードとして使うことで肉や小麦の実利を取りたいのではないかと推測し、日本が関税を下げても追加関税が変わらない可能性があるのですぐにカードを切るべきではないとコメントしている。