来月から実施される定額減税。1人当たり所得税と住民税、計4万円が減税される。一方で事業者の事務負担が増えることになる。説明会でも困惑の声が聞かれた。埼玉・狭山市で開かれている定額減税のセミナーには予想を超える多くの人が集まっている。集まったのは、主に中小企業の経営者や経理担当者。オンラインを含め、約90人が参加した。セミナーの講師・小池俊税理士は「相談自体はかなり増えている。ジムをする人にとっては、非常に何回、複雑で簡素ではないと感じる」と述べた。参加者のコメント。今回の定額減税。1人当たり年間で所得税が3万円、住民税が1万円減税される。納税者本人だけでなく、扶養している子どもや年収103万円以下の親族らも減税の対象となる。夫婦と子ども2人の4人家族の場合を紹介。共働きか、いわゆる片働きかは問われない。扶養家族が多かったり、年収が低かったりして、年間の納税額から減税額すべてを差し引けないケースについては、減税しきれない分を給付で補うことにしている。富裕層を対象とすべきではないとして、年収が2000万円、所得が1805万円を超える人は対象外となった。政府は、給与などを支払う企業に対し、給与明細に所得税の減税額を明記するよう義務づけている。実際にいくら減税されたかを示すことで、手取りの増加を実感してもらうねらいがある。きょうのセミナーに参加していた吉田由紀恵さんは、地元のケーブルテレビで経理を担当。従業員約40人の給与の計算をすべて1人で行っている。これまで決算や株主総会の準備に追われ、2週間前から定額減税の対応を始めた。吉田さんが今、最も慎重に進めているのが扶養家族の確認。定額減税の対象となる扶養家族の要件が通常のケースと異なる場合もあるため、従業員一人一人に確認する必要がある。今後、従業員向けの周知文書も作ることにしている。吉田さんは「残業は仕方がないかなと思っている」と語った。減税のうち住民税の対応に当たる自治体も準備に追われている。
東京・墨田区役所では、区民からの問い合わせが増えているため、今月号の広報誌に定額減税の記事を掲載した。今回の制度は、給与所得者や個人事業主、年金生活者では、減税を受けられる時期や方法が異なることが解説されている。墨田区税務課・井上貴文課長は「定額減税は物価高騰対策にむけ、市民に直接影響するないようなので関心も非常に高い。丁寧に説明することで、市民に理解を求めて、納得して税を納めてもらう」と述べた。政府は、来月から減税を実施することについて、ことしの春闘による賃上げが実際に給与に反映されるタイミングに合わせたとしている。野党は、政府が企業に減税額を明記するよう義務づけていることなどについて批判を強めている。立憲民主党・岡田幹事長は「これは選挙運動。制度が複雑なので、自治体も相当大変な状況だと思う」と述べた。一方、鈴木財務相は「所得の伸びが物価上昇を上回る状況を作ることにより、デフレマインドを払拭する気かけとするために実施するもの。事務負担が増えることは事実だが、理解をしてもらい協力を賜りたい」と述べ、減税の意義を改めて強調した。定額減税を複数年度にわたって実施する考えがあるかどうかに対して「考えていない」と改めて否定。
企業からは事務負担の増加を訴える声も聞かれた。負担に見合うだけの効果、得られるのか。国民の実感を伴う効果が得られるかどうかが重要。来月から実施される定額減税の規模は、所得税が約2兆3000億円、住民税が9200億円余と見積もられている。一方で、制度が複雑で減税が複数の月にわたって行われるケースもあることから、手取りの増加を実感しづらく、効果が薄いのではないかという指摘も出ている。政府のねらいどおり、定額減税と賃上げで物価上昇を上回る所得を実感できる形で実現できるかどうかにかかっている。
東京・墨田区役所では、区民からの問い合わせが増えているため、今月号の広報誌に定額減税の記事を掲載した。今回の制度は、給与所得者や個人事業主、年金生活者では、減税を受けられる時期や方法が異なることが解説されている。墨田区税務課・井上貴文課長は「定額減税は物価高騰対策にむけ、市民に直接影響するないようなので関心も非常に高い。丁寧に説明することで、市民に理解を求めて、納得して税を納めてもらう」と述べた。政府は、来月から減税を実施することについて、ことしの春闘による賃上げが実際に給与に反映されるタイミングに合わせたとしている。野党は、政府が企業に減税額を明記するよう義務づけていることなどについて批判を強めている。立憲民主党・岡田幹事長は「これは選挙運動。制度が複雑なので、自治体も相当大変な状況だと思う」と述べた。一方、鈴木財務相は「所得の伸びが物価上昇を上回る状況を作ることにより、デフレマインドを払拭する気かけとするために実施するもの。事務負担が増えることは事実だが、理解をしてもらい協力を賜りたい」と述べ、減税の意義を改めて強調した。定額減税を複数年度にわたって実施する考えがあるかどうかに対して「考えていない」と改めて否定。
企業からは事務負担の増加を訴える声も聞かれた。負担に見合うだけの効果、得られるのか。国民の実感を伴う効果が得られるかどうかが重要。来月から実施される定額減税の規模は、所得税が約2兆3000億円、住民税が9200億円余と見積もられている。一方で、制度が複雑で減税が複数の月にわたって行われるケースもあることから、手取りの増加を実感しづらく、効果が薄いのではないかという指摘も出ている。政府のねらいどおり、定額減税と賃上げで物価上昇を上回る所得を実感できる形で実現できるかどうかにかかっている。