山岳ライターの小林千穂が富士山を旅する。富士山の斜面には幾多もの沢状地形があり、大雨や雪解けの際には大量の水が流れ土砂崩れを引き起こす。富士山最大の沢は西斜面にある大沢崩れ。千年前から盛んに崩れ始め、その規模は年々拡大。やがては富士山の形を大きく変えてしまうと言われている。大雨が振ると大沢崩れから大量の土砂が流れ込み山麓の暮らしに多大な被害をもたらしてきた。源頭部では脆い地層がむき出しになっており、麓への被害を最小限に食い止めるため41年前から砂防工事が続けられてきた。大沢崩れの崩壊を止めることはいまの技術では難しいため下流側で砂防工事を行い崩落を最小限に抑える策が取られているという。