富士山の麓に近い静岡県・小山町に作られた日本最大級の陸上養殖場ではサーモンが養殖されている。ノルウェーに本社を置くプロキシマーシーフードと丸紅シーフーズがタッグを組み、この秋から陸上養殖アトランティックサーモンの出荷を開始する。この陸上養殖上は環境への負荷を抑えつつ安定的に生産するために設けられた。サーモンの人工種苗を2週間かけてふ化させて稚魚を育てる。富士山の地下水を利用した人工海水はほぼ100%再利用が可能。プロキシマーシーフードの神尾茂治さんは「魚のふんや食べ残しのエサなどを取り除き、バクテリアの力を使って有害なアンモニアなどを分解してキレイにする」などと説明した。水のろ過には高低差や重力を利用し、ポンプはくみ上げの時のみ最小限使用される。魚を育てる水槽のい大きさは深さ5mで直径は18mとなっていて、2から3万匹を育てることが可能。養殖システムは24時間リモートで監視されていて、水温や酸素濃度などがモニタリングされている。約2年で出荷される大きさにまで成長する。出荷が開始されると、首都圏には水揚げ後に最短2時間で生のアトランティックサーモンの配送が可能になる。現在は多くがノルウェーやチリからの空輸になっているが、輸入される場合と比べて二酸化炭素の排出量を年間5万7000トン削減されるという。