先月30日、陸上日本選手権女子110メートルハードル決勝、2年ぶり2度目の優勝を飾りパリオリンピック代表を決めた彼女こそ、今回の主人公この種目の日本記録保持者の福部真子28歳。彼女の口から出たリベンジという言葉、それは1年前の日本選手権にさかのぼる。12秒台が4人いる、激戦の女子100メートルハードル、決勝でその4人が並ぶようにフィニッシュラインを駆け込んだ。福部にとっては世界選手権代表がかかっていたこのレース、参加標準記録を切っていたため3位以内で代表の座を手にすることができた中、結果は4位。この種目は前日本記録保持者の青木益未や日本女子初の12秒台を出した寺田明日香がけん引。そんな背中を福部は追い続けていた。2022年には日本記録を2度更新し12秒73を記録、当時26歳遅咲きの彼女が、一躍スポットライトを浴びる存在となった。冷静さを失いいろいろな気持ちが一気に押し寄せたことで自分の弱さ、未熟さがあったと彼女は振り返る。自信を取り戻そうとオフにはハードルを使ったトレーニングに時間を費やした福部。筋力をしっかり地面に伝えることができれば常に安定したタイムでハードルを越えられる。理想の走りを求め多くの努力を積み重ねてきた。去年の涙から今年見せた笑顔に。パリの舞台では今まで以上の最高の笑顔を私たちに見せてくれるはず。福部真子は、ずっと狙っていた五輪の舞台なのでまずは自分の力を発揮すること、自分がずっと言っていた12秒5切りというのをしっかり目指した上でそういう走りができればいいなと思う、と話していた。