今年4月、日本肥満学会が日本人女性の「痩せすぎ問題」に警鐘を鳴らした。イギリスの医学雑誌が発表した「成人女性の低体重率」上位10か国に、日本は名を連ねていた(WHO調べ)。そんな中でも、マンジャロでさらに痩せようという女性が少なくない。ある20代の女性は4年前まで体型にコンプレックスを抱え、当時の写真は消してしまったという。4年間ジムに通ってダイエットし、今年5月には当時より18kgも減量した。この時点で肥満度を示すBMIは痩せ型の低体重だったが、もっと痩せたいと6月下旬からマンジャロを開始した。すると2週間が過ぎたある日マンジャロを打つことで食欲が失せ、2日間食事をとらなかった女性の体は限界に達し駅で倒れた。しかし今もなおサプリメントなどで栄養補給しながら、女性はマンジャロを続行している。女性は身長から120引いた数値に体重が収まっていることをいう「スペック120」を目指している。医師によれば「スペック120」はかなり無謀な数字だというのだが、女性は「韓国アイドルとか細くてキレイ。『スペック120』ないと人権ない」などと語った。SNSではインフルエンサーを中心に、まるで勝ち組のように「スペック120」であると打ち出す表示が氾濫している。リスクがあっても、少なくない金をかけても「さらに痩せたい」。女性は「キレイになるのだったら栄養不足は仕方ない。世の中が『細いは正義』」などと語った。