自民党総裁選挙は、来週27日の投開票に向けて、候補者9人による論戦が続いている。争点の一つの経済政策では、成長を目指すうえで何を重視するのかにそれぞれの特徴が出ている。このうち、財政出動の必要性を訴えているのが高市経済安全保障担当大臣で、成長分野や危機管理分野に戦略的に財政出動を行い、強い経済を実現するとしている。賃金や所得の向上に重点を置く候補者もいて、林官房長官は最低賃金の引き上げなどで格差の是正を図り、中小小規模事業者への支援を拡充するとしている。上川外務大臣は強力な物価高対策を講じ、実質賃金をアップさせるとしている。加藤元官房長官は賃上げ促進税制の拡充などで、国民の所得倍増を実現するとしている。成長に向けて人材の流動性を高め、労働市場の改革につなげたいとする主張もある。小泉進次郎氏は解雇規制を見直し、大企業にリスキリングなどを義務づけるとしている。河野デジタル大臣は健康の確保を前提に長時間労働の規制を一部緩和するとしている。地方の成長を日本全体の成長につなげる政策も掲げられていて、小林鷹之氏は、国が地方に大胆な投資を行い全国に戦略産業の集積地をつくるとしている。石破元幹事長は地方創生を日本経済の起爆剤と位置づけ、企業の地方進出や都市と地方の格差是正を図るとしている。茂木幹事長は半導体の製造拠点などを地方に建設して雇用を創出し、「日本列島の再改造」を進めるとしている。9人は、きょうは松山市と大阪市で演説会に臨む。