真夜中の幹線道路を埋め尽くしているのは自転車。車道を自転車が占領しているため、車はほとんど動けない。中にはスケボーやスピードが出る車いすに乗る人も。大学の寮の門が閉まっていれば窓から外へ繰り出し自転車で出発。中国・河南省を中心に大流行しているという”真夜中サイクリング”。学生らがシェアサイクルをレンタルし、鄭州市から約50キロ離れた開封市まで自転車で走行するのがブームになっている。彼らのお目当ては名物の小籠包。中国メディアによると、ブームのきっかけは、4人の女子大生グループが自転車で小籠包を食べに出掛けた様子がSNSで拡散されたこと。しかし、真夜中サイクリングには「人生は荒野のようだ」「青春真っ只中」などと旗を掲げる人たちも。東京財団政策研究所・柯隆主席研究員は「サイクリングの目的が必ずしも小籠包だけではない」と指摘する。当局の発表によると、若者の失業率は17.6%。「就職難など不安や鬱憤を解消させるためのストレス発散が目的の一つ」と指摘。