高知県立美術館が購入した作品はベルトラッキが90年頃に描いたという。ハインリヒ・カンペンドンクの作品は戦禍で行方知らずとなっていて、ベルトラッキにとっては好都合だった。作者の故郷を訪れるなどして作品のイメージを膨らませたといい、「私が描くのはコピーではなく、新しい絵」と語る。妻のヘレネはイギリスのオークション会社であるクリスティーズに贋作を持ち込み、誰に所有されてきたか来歴も偽装した。20世紀前半、画商のオットー・ヴァッカーとその一味はゴッホの絵画を、ハン・ファン・メーヘレンはフェルメールの絵画を捏造したが、ベルトラッキは少なくとも45人の画家に偽装していた。あまり著明ではない芸術家の作品とあって、真贋の判断が難しいのもポイントだという。
