大手繊維メーカーのユニチカは、赤字が続いていた祖業の繊維事業から撤退する方針を固めた。1889年に尼崎紡績として創業し、主力メーカーの一角として化学繊維の輸出などを手がけ日本の繊維産業の近代化や戦後の高度経済成長を支えてきた。関係者によると、近年は低価格の中国メーカーなどとの競争の激化で、衣料品や生活雑貨向けの繊維事業の業績は落ち込み、赤字が続いていたということで祖業である繊維事業から撤退する方針を固めた。今後は、需要が伸びている、食品包装や半導体関連の材料に使われるフィルム事業に経営資源を集中するとしている。これに伴って主力銀行である三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行なども合わせて300億円から400億円規模の債権放棄を行う方向で調整するなどしている。会社はこうした内容を近く発表し記者会見も行う見通し。
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