東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県山元町。町の約4割が浸水した。住民は車で避難をしようとしたが、大渋滞していたという。犠牲者の中には車での避難途中の渋滞のために逃げ切れなかった人も多くいたと見られている。山元町は沿岸部は平坦なため、徒歩だと津波に飲み込まれてしまう。町は2013年から車での避難訓練を始めた。最初の年は国道の交差点で深刻な渋滞が発生。そこで町は別の避難ルートを提示した。2015年の訓練には住民の2割が参加し、沿岸部の住人は690台の車で避難した。渋滞を減らすため、住民は知り合いの車に乗って車の台数を減らすことにした。声掛けで逃げ遅れを防ぐメリットもある。こうして想定の津波到達時間より早い30分ほどで避難は完了した。更に町は10本の避難路を設置した。