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「山崎誠」 のテレビ露出情報

新潟県魚沼市。5月中旬、田植えはピークを迎える。コメ農家・関隆さん73歳。89ヘクタール、サッカーコート約125面分でコメを作る大規模農家。コメを取り巻く状況が一変したのは去年の夏。令和のコメ騒動。全国の売り場からコメが消えた。実はそれよりも前に、関さんは危機感を口にしていた。魚沼産コシヒカリの産地でも高齢化で自ら作れなくなる農家が急速に増えているという。桜井弘文さん89歳は20歳の頃からコメを作ってきたが、去年引退した。桜井さんは田んぼを全て関さんに託した。娘夫婦や孫に継いでもらうことは考えなかったという。生産者は長く国の政策に翻弄されてきた。戦後、国はコメを増産、余剰分も買い上げていた。しかし、極端なコメ余りから財政支出が増えると買上げをやめた。1970年頃、農家が反対する中、作付面積を減らすよう求めた(減反政策)。約半世紀続いた減反政策は2018年に廃止。しかし、国は今も田んぼで主食用のコメ以外の麦や大豆などを作る際には補助金を出している。他の作物に誘導するような政策に、実質的な生産調整だという指摘もある。そして今、産地が直面しているのが深刻な高齢化。日本のコメ農家の平均年齢は68.9歳(農林水産省「2020年農林業センサス」)。全国のコメの生産者は15年で約半分、作付面積も減っている。去年9月、コメ騒動の真っ只中で迎えた稲刈り。天候不順やカメムシの被害を受け、関さんの田んぼでは収穫量が9割にとどまった。新潟県では同じように収穫量が減ったという声が多く聞かれた。去年11月、新潟県が東京で開いたコメの商談会。新米が出回っても争奪戦は続いていた。消費者に届けるコメが足りない。全国各地の業者が探し求めていた。1度崩れた需給バランスは、この後もなかなか解消されなかった。今では5人の従業員を雇う大規模なコメ農家となった関さん。大規模なら効率もよく儲かる。今も夢を追い続けている。迎えたことしの春。コメを買いたいという連絡が絶えない。高い価格のままで良いとは思っていない。ただ、これまで我慢してきた多くの農家のこともわかってほしい。そうした中、価格高騰を受け、海外産の安いコメが日本市場をうかがい始めた。備蓄米も大量に放出。コメ不足や価格高騰に多くの国民が翻弄されている。14日の発表によると、スーパーで今月6日までの1週間で販売されたコメの平均価格は5キロ3602円と7週連続で値下がり。今月1日に開かれたコメの安定供給に向けた閣僚会議ではコメの増産が強調された。しかし、今産地は老いている。いつまで国に応え続けることができるのか。小規模農家が田んぼを手放すスピードは加速している。時代に抗い規模を広げてきた関さんの田んぼは二男が後を継ぐ。国内でコメの生産が賄えるように。そして収入が安定し、若い人が希望を持てる職業になってほしい。多くの農家の願い。

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