20日、日本維新の会と自民党が12項目に及ぶ連立政権合意書に署名した。安全保障の分野では、次世代動力を使って潜水艦の保有を推進すると明記されていた。原子力潜水艦が念頭にあるとみられる。小泉防衛大臣はきのう、原子力の活用について、あらゆる選択肢を排除せず検討していきたいとした。中国海軍の空母「遼寧」などが太平洋や南シナ海で活動を活発化させている。専門家によると、中国への抑止力として最も重要なのは、どこにいるのかわからない潜水艦の保有だという。日本は現在、25隻の潜水艦を保有しているが、原子力潜水艦は0。中国は、潜水艦を60隻保有し、うち10隻ほどが原子力潜水艦だと言われる。通常の潜水艦は、ディーゼル発電機を用いて、リチウムイオン電池などに蓄電し、モーターを回転させる。ディーゼル発電機を使うには酸素が必要なため、定期的に浮上する必要がある。原子力潜水艦は、原子炉から出る熱で水を沸かし、その水蒸気の力でタービンを回転させる。酸素は不要で、定期的な浮上も必要ない。原子力潜水艦のほうが、見つかるリスクが低く、スピードも速い。原子力利用は平和の目的に限るとする原子力基本法に、原子力潜水艦は反するという意見もある。多くの国で原子力潜水艦の導入は議論されていて、日本でも議論をしなければならない重要な問題だという。世界では現在、アメリカなど6カ国が原子力潜水艦を保有している。