死者・行方不明者63人を出した御嶽山の噴火災害から10年、当時噴火に巻き込まれながらも生還した男性は、亡くなった仲間をしのび山に足を運び続けている。長野県と岐阜県にまたがる御嶽山。今年7月、男性の姿があった。10年前の9月27日、職場の仲間と9人で御嶽山を訪れていた。山頂で噴火に巻き込まれた9人。男性は生還したが、5人が死亡、1人はいまだ行方不明。あの日を忘れないために、この10年間、御嶽山や麓の木曽地域に繰り返し足を運んできた。噴火に遭った山頂の剣ヶ峰。とっさに神社の祈とう所まで走り、棚の下へ潜り込んだ。噴火が起きた時刻11時52分。火山防災の周知を目的として噴火災害を機にできた御嶽山火山マイスター。男性は今年、県の認定試験に合格し活動を始めた。男性は「生還体験の伝承と火山噴火の犠牲を出さないというのが2本柱」と語った。経験と教訓を未来へつなぐ。