東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮城県岩沼市だが、震災後、沿岸部にできた「いわぬまひつじ村」には毎年2万人以上が訪れている。この夏から震災の記憶を語り継ぐ新たな取り組みが始まった。その名も「3.11かたりべがちゃ」。施設を訪れた親子連れなどにカプセルトイを使って震災の記憶を伝える取り組み。ひつじ村を訪れた人たちは無料で体験できる。スマホでQRコードを読み込むと、岩沼市で被災した人の経験を音声で聞くことができる。ひつじ村のある二野倉地区は震災の津波によって壊滅的な被害を受けた。沿岸部は災害危険区域に指定され、人が住むことはできなくなった。そんな場所に再び賑わいを取り戻そうと8年前、地域の人たちによってひつじ村がつくられた。「かたりべがちゃ」考案者・松尾洋子さんはボランティアで訪れた時の被災地の光景が忘れられず、復興に貢献したいと12年前に移住し、訪れた人い岩沼の震災の記憶に触れてほしいと「かたりべがちゃ」を考案した。松尾さんは被災者1人1人のもとを自ら訪ね、様々な声を集めている。カプセルトイには性別や年齢、職種などが違う9人の震災体験が収められている。松尾さんは「自分が災害にあったときにちょっと思い出して1つの知識になるといいなと思う」などと話した。
