オリンピック開幕まであと2日となる中、けん玉の世界一を競う「けん玉ワールドカップ」が今週末に広島・廿日市市で行われる。この大会に隠岐の島から出場する隠岐水産高校3年・森欣空さんを取材。けん玉を始めたのは10歳の頃。難しい技を成功させる嬉しさと楽しさに魅せられて腕を磨いてきた。去年の全国統一けん玉力測定会年代別で2位に入り、年末には「紅白歌合戦」のけん玉チャレンジ出場も果たした。森さんはおととしけん玉指導員の資格を取得、島根県隠岐の島町でけん玉教室を開いている。隠岐の島町では過疎化が進み子どもの数も減り続けていて、子どもたちが野球やサッカーなどの団体競技に打ち込める機会は減っているが、森さんは「けん玉なら1人でも熱中できるし仲間と一緒に盛り上がることもできる」と考えている。森さんはけん玉ワールドカップに向けて猛練習を積んでいる。普段は放課後に1日3時間。今は10時間練習する日もある。使っているけん玉は隠岐の島の木で作ったもの。デザインは森さんが考え、島の人たちと協力して制作した。本番で成功させたい技がプレッシャーかかし。玉を皿に乗せたまま剣先を手のひらに立てて最後は剣先を玉に指す。現状での成功率は5%だが諦めない。「けん玉が子どもたちにとって挑戦するきっかけになってほしい」と願っている。森さんは高校卒業後も島に残って特産の岩牡蠣の養殖について研究したいと考えているそう。隠岐で働きながら指導を続けたいと話していた。大会は7月27日(土)・28日(日)広島県廿日市市で開催。世界16カ国から過去最多の950人が参加予定。