岸田総理大臣は訪問先の韓国で4年半ぶりとなる日中韓3か国の首脳会議に出席する。経済面では、停滞している3か国のFTA(自由貿易協定)の交渉推進に向けて、議論を重ねていくことを確認する見通し。韓国を訪れている岸田総理大臣はきのう韓国の尹錫悦、中国の李強首相と個別に首脳会談を行った。李強首相との会談では、日中両国による戦略的互恵関係の推進などを再確認した。一方で東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について安全性への理解を促すとともに日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を重ねて求めた。そして今日は午前中、4年半ぶりとなる日中韓3カ国の首脳会議に出席する。会議では、経済や人的交流のほか、少子高齢化や気候変動、それに感染症対策など共通の課題での協力で合意するものとみられる。経済面では、停滞している3か国のFTAの交渉推進に向けて議論を重ねていくことを確認する見通し。中国をめぐっては経済慣行が不公正だといった指摘があるのを踏まえ、日本としては自由で公正なルールに基づいた対応の重要性を強調する考え。また、地域情勢をめぐっても意見を交わし、北朝鮮の非核化と朝鮮半島の安定が3か国の共通利益だとの認識で一致する見込み。さらに首脳会議の定例化も申し合わせる方向で3首脳は会議の成果を共同宣言として発表することにしている。一方、北朝鮮から人工衛星を打ち上げるとの通報があったのを受け、きょうの首脳会議でも今後の対応について意見が交わされるものとみられる。