現地で取材に当たっている政治部・徳丸官邸キャップが解説:G7(主要7か国首脳会議)の焦点の1つウクライナへの支援について「G7では、制裁で凍結したロシア資産の運用益をウクライナ支援にどう活用していくか議論していて、今回その具体的な方法を決めることになる。政府関係者は“支援疲れもある中、関係国の負担軽減にもつながる”と話している。中国がロシアに軍事転用可能な物資を提供しているという懸念もあるので、関与した疑いのある団体への制裁を強化するという流れで、日本も足並みをそろえることにしている。さらに岸田総理大臣は、ゼレンスキー大統領と個別に会談することにしていて、ウクライナに寄り添い続ける姿勢をアピールしたい考え」。日本政府のねらいは?「ウクライナ情勢が大きなテーマではあるが、日本の念頭にあるのは中国への結束した対応。ヨーロッパ各国とは温度差がある。ある政権幹部は“岸田総理大臣が、ウクライナはあすの東アジアかもしれないという点を強調して、理解を求める”と話している。実際、ロシアを支援する中国は、日本周辺でも覇権主義的な動きを強めているので、こうした危機感を訴える貴重な場と位置づけている。また存在感を増しているグローバルサウスとの関係もポイント。今回もブラジルやインドが参加する。岸田総理は去年の広島サミットで、法の支配に基づく国際秩序を守っていくために、こうした中間的な立場の国々との連携強化を打ち出した。去年の成果を引き継ぐことで、アジア地域の平和と安定を図りたいという考え」。