日銀は0から0.1%程度としてきた短期金利の誘導目標を今日から0.25%程度に引き上げる。判断の理由として植田総裁は歴史的な円安の物価への影響を挙げたうえで景気を冷やすとの懸念に対しては「大きなマイナスの影響を与えることはない」と説明した。岸田総理はきのう夜「政府と日銀はデフレ型経済から新しい成長型経済への30年ぶりの移行、これを成し遂げることが肝要であるという共通の認識に立って密接に連携をしてきています」と述べ「1000兆円規模と言われる国民の預貯金の金利増というプラスの効果もある」として利上げを前向きに評価した。日銀の利上げ決定を受け3メガバンクは現在0.02%の普通預金の金利を0.1%に引き上げると発表した。三井住友銀行は今月6日から、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は来月2日から金利を引き上げる。一方米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)は金融政策を決める会合を開き、年5.50%を上限とする現在の政策金利を据え置くことを決めた。据え置きは8会合連続だがパウエル議長は今後の物価上昇率や雇用などの経済指標を見極めたうえで「早ければ次回9月の会合で利下げを行う可能性がある」と述べた。ただ市場は会見の前から、FRBが9月に利下げを始めることを織り込んでいたため円相場は小幅な値動きとなっている。