神奈川県川崎市の不動産会社・丸貞。パートタイムで働く平田さんは週3回6時間勤務。年収が103万円を超えると所得税を支払わなければいけなくなるため働き控えをしている。長女を迎えに行き、帰宅は午後6時前。夫と3人で賃貸住宅で暮らしている。壁の見直しについて地方自治体からは「税収減になり、地方行政サービスへの悪影響が出る」との声が上がっている。神奈川県横浜市のスーパーマーケットセルシオ和田町店では、年収の壁が招く働き控えで雇用する側に問題が。夕食の支度などで店が忙しくなる夕方以降の時間帯は従業員が4人必要だが3人しか入っておらず人手が足りていない状況。16〜18歳は年収が103万円を超えると扶養控除の対象から外れ、親など扶養者の所得税や住民税が増えるため働き控えをする学生が多い。パートタイムで働く人々を悩ませるもう一つの壁は130万円の壁。年収が130万円を超えると年金など社会保険料の支払いが生じ、手取りが大きく減るため働き控えにつながっている。