埼玉・川越市にある音楽に特化したデイサービス「ミュージックケアKEION」。この施設を立ち上げたのは元警察官で現役の時にはバンドを組んでいた上野拓代表。警察官時代は鑑識を担当し、多くの高齢者の孤独死を目の当たりにしてきた。警察庁によると去年、自宅で亡くなった一人暮らしの人は7万6020人。そのうち65歳以上は5万8044人と約8割を占めた。こうした現実を背景に上野さんは高齢者が集まって元気になれる場所を作りたいと考え、58歳で警察官を早期退職し、4年前に施設を立ち上げた。楽器はギター、ベース、ドラム、三味線、太鼓など約10種類が利用可能。上野さんは「私も職員もそうだが、元気になっていくところが実感できる。押し車でいたような人がいてもたってもいられなくて踊りだす」と話した。利用者と職員が歌や演奏を楽しむのがこの施設の醍醐味。