一方、総務省が行った調査で気になる結果が出た。去年、高齢者で働いている人は20年連続で増加し、過去最多を更新している。去年、914万人と過去最多を更新した働く高齢者。一方で、仕事中の事故で死亡や4日以上休むけがをした60歳以上のシニアは3万9702人で、こちらも過去最多になった。労災による死傷者に占める60歳以上の割合も過去最高になった。労災を種類別に見ると、転倒が最も多く40%、次いで墜落、転落が16%、重いものを持ち上げるときに腰や腕を痛めたなどの動作の反動無理な動作が11%となった。長く安全に働くことができる職場を、どうやって作っていくか。転倒しそうな危険な場所に貼られたテープ。ビル設備の保守や清掃を手がける静岡県の企業では、社長や労務担当者が従業員から直接意見を聞いて、シニアの働きやすい環境の整備に取り組んでいる。この時期は熱中症対策グッズも支給している。シニアの人たちの労災はどのように防げばいいのか。専門家は企業側の取り組みについて指摘する。定年後研究所・池口武志所長は高齢者になると個人差は非常に大きくなる。現場で高齢者に対する健康上の配慮、気遣いが重要、その上で人材不足がより深刻化している。健康で生き生きと仕事をしていくことは生産性向上の大きな土台になる、と話した。