東京証券取引所が来月5日から株の取引時間を30分延長する。現在は午前9時~午前11時半、午後0時半~3時までの合計5時間。延長されると午後3時半までになり合計5時間半になる。終了時間の延長は70年ぶりとなる。これまでも、投資家の間で取引時間の延長を求める声が強くあった。しかし業務負担が増えるということで証券会社などの反対で立ち消えになってきた。転機となった出来事は、2020年の東証の大規模システム障害。全銘柄の取引が終日停止となったことを非常に重く受け止め、そこで取引時間が長いほどシステム障害から復旧後も取引できる可能性が高まる利点から、30分の延長が決まった。専門家によると、メリットはさらに市場が活性化するという。海外投資家にとっては取引機会が増えることで売買代金も増え市場が活気づく。日本との時差が1時間の香港やシンガポールなどからは特に取引機会が増えるのではという見立て。株価への影響は、株価が決めるのはあくまで企業の業績だが、延長となれば日本株上昇のきっかけになる可能性もあると分析。企業の決算発表の時間にも影響が出る。現在は東証上場企業の約80%が取引終了の午後3時以降に決算発表を行っているため、当面の発表時間が午後3時半にずらすのではという見立て。東証としては、投資家のために速やかな情報開示をしてほしいと要請している。課題は、取引時間。ニューヨーク証券取引所は24時間取引の議論などが進んでいる。東証としても、国際的な競争力向上のためより一層の議論が必要。