長崎に原爆が投下されてからきょうで80年。きょう午前10時40分から平和記念式典が行われる長崎市の平和公園では、朝早くから祈りを捧げる人の姿が見られた。平和記念式典ではこの1年間に亡くなった被爆者など合わせて3167人の名前が書き加えられた20万1942人の原爆死没者名簿が納められ、原爆が炸裂した時刻の午前11時2分に黙祷を捧げて犠牲者を追悼する。長崎市の鈴木史朗市長は式典で読み上げる長崎平和宣言で被爆者として初めて国連の演壇に立った山口仙二さんの演説を引用、各地で起きている紛争の即時停戦を求めることにしている。式典には被爆者や遺族の代表に加え、アメリカやイギリスなど各保有国を含む95の国と地域の大使などが参列する予定だ。対立が続くイスラエルとパレスチナ、それにイランの代表も出席し、立場の違いを超えて原爆による犠牲者を追悼し、平和な世界の実現を願うことになる。被爆者はことし初めて10万人を下回り平均年齢も86歳を超えて被爆者なき時代が迫る中、核兵器をめぐる国際情勢は厳しさを増している。きょう、被爆地長崎は、長崎を最後の被爆地にという願いを、改めて国内外に発信する一日となる。
住所: 長崎県長崎市松山町9
