1カ月前の箱根駅伝で、山登りの5区で区間新記録をマークした若林宏樹。優勝パレードでは一躍ヒーローとなった若林のグッズを手にファンが殺到。しかし実業団には進まず大学で引退。郷土・別府大分毎日マラソンが引退レース。目標タイムは2時間18分を切ること。レースは勝負の30kmすぎ、若林を含め先頭集団9人中4人が箱根ランナー。実はこの大会に向けてのマラソントレーニングが行っていないという若林。35kmを超え勝負どころ上り坂。すると上りを利用して仕掛けたキプチュンバに若林がすかさずついていく。先頭は2時間4分台の記録を持つケニアのキプチュンバ。そのうしろをピタリとマークする若林。苦しい表情をみせるなか残り2km。沿道や原監督から声援を受けた若林がキプチュンバの前に出る。そして残り1km、今度はキプチュンバが若林の前へ。それでも若林は初マラソン日本新記録ペース。4年間で培ったスタミナで最後まで粘りを見せた。これが競技人生の集大成。2時間6分7秒の初マラソン日本新記録。さらに日本学生新記録。世界選手権の参加標準記録も突破する快挙。引退のレースで有終の美を飾った。