おととい、韓国・釜山で行われた世界卓球女子決勝。東京オリンピック女子シングルス金メダリストをはじめ、世界ランキング1~3位を揃えた中国。対する日本は早田ひな選手、平野美宇選手、張本美和選手のパリオリンピック代表トリオが出場。伊藤美誠選手、木原美悠選手がリザーブにまわった。1番手に登場したのは張本選手。相手は世界ランク1位の孫穎莎選手。第1ゲームを奪われベンチに戻ると身振り手振りを交え伊藤美誠選手がアドバイスを送る。東京オリンピックで金銀銅と3つのメダルを取りながらパリへの出場権を逃した伊藤選手だが、試合中、懸命にアドバイスを送る姿が「まるで伊藤監督」などとSNS上で話題沸騰。このアドバイスがきいたのか続く第2セットではリードを奪う展開に。しかし第2ゲームを落とし、続く第3ゲームも世界女王の攻勢に流れを変えられずストレート負け。続く第2試合は早田ひな選手が東京オリンピックメダリストの陳夢選手と激突。世界ランク3位、ここ4年間日本人選手に負け無しの強敵だ。第1ゲームは6-11で先取される。するとここでも伊藤選手がアドバイスを送る。そして第2ゲームでは主導権を握ると長いラリーをものにし、第2ゲームを取り返す。続く第3ゲームも奪い第4ゲームでは一進一退の攻防が続く。14-12で接戦をものにし、早田選手は陳選手に初勝利。日本は1勝1敗のタイに持ち込む。勢いづく日本の3番手で登場したのは平野美宇選手。世界ランク2位の王芸迪選手を相手に一歩も引かない。平野選手が序盤からペースを掴むと王選手が首をひねる場面も。その後も得点を重ね第1ゲームを先取。第2ゲームも13-11で相手を引き離す。勢いに乗る平野選手に伊藤選手はさらにアドバイス。続く第3ゲームは劣勢になるも4連続ポイントで追いつく。そして最後はフォアハンドで相手を沈め世界ランク2位をストレートで撃破。日本が53年ぶりの世界一に王手をかける。第4試合は再び早田選手が登場し、孫穎莎選手とのエース対決に。しかしストレートで敗れてしまう。2勝2敗の五分となり勝負の行方は最後の第5試合に。歴史を変える1勝を目指し15歳の張本選手に運命の大一番が任される。第1ゲームをとった。これには伊藤選手も鼓舞する。その後は一進一退の攻防が続き、第3ゲーム終盤で逆転を許した時点で日本側がタイムアウト。張本選手を笑顔で励ます伊藤選手。続く第4ゲームで挽回したかったものの敗れてしまい、53年ぶりの世界一には届かなかった。伊藤選手は「私が出場しているなかでも過去最高に中国を苦しめたんじゃないかと思う。」とコメントした。